はら・かおり 作陶展 ── 気配 ──

□2018/06/04(月)~06/09(土)
11:00AM~7:00PM(最終日は5:00PMまで) 

猫はどんな気配を感じて、日々暮らしているのだろう。
猫がいるような空間、そしていたかもしれない空間、
そんな気配を猫なしで表現できないかと考える。テーマは「気配」。

猫の作品を中心にオブジェ、プランター、花器等を発表している陶芸家【はら・かおり】さんが
時間と空間に思いを巡らせて作陶した個展です。

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2004年の個展「風にふかれて」で倫理的・宗教的な森を散策した原さんは「ふわり」(2005年)、「ぽっかり」(2006年)で
抽象化された立体に遊び、2007年と2008年は一転して猫という身近にありながら神秘的で芸術的な生き物をテーマに制作しました。

2009年は~赤坂・猫の森カフェ~で、テーマは同じ猫ながら一転してユーモアとウイットあふれる楽しい世界を展開し、
2010年の「優しい時間」では、小春日和のように温かな、ネコと人の日常を陶土で表現してくれました。

また、2011年の「鎮守の森」では~自然の中で、人も動物も同じように生かされ守られている
~そんな安心で楽しい世界を陶人形で描きました。
そして東日本大震災後の2012年の個展「Life vol.1」では本当の豊かな時間とは何なのかを問いかけました。

アートとクラフトの両面から現代陶芸のあり方を見つめる原さんの面目躍如というところですね。
2013年の「野良猫公園」、2014年の「猫が棲む」、2015年の『何処へ』を経て、2016年は『猫展』、2017年は『モノガタリ』。

そして今回の個展は・・・「気配」。
まず会場正面には巨大な白猫がお出迎えです。精緻な細工のネコの陶人形は個展の度、見返すたびに
作りのうまさと、それを裏付ける観察眼の確かさに魅せられます。はら・かおりさんを語るときには
忘れることの出来ない作品群です。その猫たちの間には多くのプランターが並びます。

大人っぽく上品なテラコッタのプランターにはレリーフ状にネコの表情や姿が刻まれています。

壁面にはカラフルな彩色を施されたレリーフ陶板や、和のテイストで描かれた染付の陶板が掛けられました。
テーマはもちろん『猫』。この染付の仕事には花器もあります。和陶器のスタイルを踏襲した花器は
派手さはないものの、誠実な筆運びで手描の味わいを滋味豊かにたたえています。 

こうした猫をテーマにした作品群のもう一方に、どこの空間に、どんな時代に迷い込んだのかわからないような街の情景があります。
そのどこか哀愁を帯びたような独特の世界は不思議な憧れとノスタルジアを喚起してくれます。
ふと懐旧の思いにとらわれるような心象的な作品となっています。 

はら・かおりさんの人と作品 は以前の記事ですが、店主サイト【"モノもの"応援帳】にて詳しくご紹介中。どうぞのぞいてみてください。

 
【 はら・かおり Profile 】
1959年 東京生まれ
1980年 大学在学中より陶芸に親しむ 吉祥寺「アトリエ飛行船」に通う
1982年 東京理科大学 数学科卒業
1987年 築窯「りんご窯」と名付ける
1991年~1993年 ロフトにて猫の作品を販売
1993年9月~1995年3月 イタリアに遊学 フィレンツェにてテラコッタと絵付けを学ぶ
1999年 岐阜県土岐市主催「ユーモア陶彫展」に入選
2001年 所沢に「Atelierうふ」を開設
2008年 静岡県河津町に「宇普庵」を開設
2011年 平成招き猫100人展 大賞
1988年~個展・グループ展を中心に活動 現在は所沢の自宅にて制作中
 
はら・かおり作陶展「野良猫公園」 in 東京赤坂ぎゃらりー小川 を You Tube でご覧いただけます。